小式部内侍は幼くして歌合の作者となりましたが、母親が世に名高き和泉式部であるため、
内侍の歌は和泉式部の代筆だろうと皆疑っていました。その時式部は夫と共に丹後に下っていたので、
権中納言定頼が「丹後から使いは帰ってきたか?」と皮肉も込めて問うたところ内侍は咄嗟に
「大江山いく野の道の遠ければ まだふみも見ず天の橋立(小倉百人一首60番)」と詠んだため、定頼は驚いて返歌もせずにその場を去りました。
「行く野の道」「生野(へ)の道」、「文も見ず」「踏みもみず」とダブルミーニングが二つも入った見事な歌です。
因みにこの権中納言定頼(藤原定頼)もまた和歌に秀でた人であり百人一首の詠み人の一人となっています。
「朝ぼらけ宇治の川霧絶え絶えに あらはれわたる瀬々の網代木(小倉百人一首64番)」
こちらも情景が心の中に広がる様な素晴らしい歌だと思います。
絵師:小林清親
年代:明治19年(1886)
状態:小トリミング 裏打ち 汚れ シワ 薄み
サイズ:大判
¥25,000
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